村上春樹作品 個人ランキング

はじめに

 9月になりました!やっと涼しさを感じるようになり空も高くて秋!!を感じることに心から嬉しい今日この頃です(テンション高い)。最近コロナ関連のやや真面目な投稿をしていたので久々に誰得?なことを書こうと思いますー。

 それは個人的に好きな村上春樹さんの作品のランク付け&感想!私がハルキストではないので、ノーベル文学賞についてや村上作品の真意や書評は正直できないのですが、それでも自腹で沢山購入するくらいには好きなので、まだ読んだことないけど実際面白いの…?みたいな人に勧める感じでいきます笑。もともとブログをはじめたいな〜と思ったのもコロナ前から書評や旅行記を書きたかったからなんです、実は。

 

まず、そもそも読めないんだけど、、

 はい。まずランキングの前に村上春樹さんと作品全体について軽く紹介していきます。はじめに、村上作品といえば語り口がとても特徴的です!(ここ重要笑)「そもそも読めない、、」人が多いのはこの語り口がわかりにくかったりうざかったりということがあるからだと思います。確かに私もあれを音読されるとうざいと思う。あと読めない要因の二つ目はR18並みのシーンがちょこちょこあることですかね、、。電車で読んでいて、唐突に危険なシーンがあって慌てて本を閉じたことがありました笑。あれは私も正直「この描写いる?いるのか?言ってることよくわからないんだけど、、」となります。まあ読むときはスルーしています。邪道かもしれない。笑

 村上春樹さんは年齢は忘れたけれど50代くらい、神戸の方の人だったと記憶しています。(あえて調べていない笑)早稲田大学を卒業して、しばらく東京でジャズバーを経営していたあと確か30代くらいでいきなり小説を書き、新人賞を受賞されました。それが『風の歌を聴け』です。作家の書いた順から丁寧に読みたい!という場合はここからスタートすればいいのですが、正直これは私には理解が難しかったので(描写は大好き)簡単なところから読んで徐々にハマりたい、という人にはおすすめはしないかなあ。でも本の読み方なんて全然人それぞれだし何か言えるほど権威や知識があるわけではないので(むしろ清々しいほど0)、ただの独り言です。笑 話が戻りますが村上春樹さんが東京の大学だったことやジャズバーを経営していたことは作品の主人公とかなり共通する時もあるので絶妙に重ねながら書いているのかな、と思います。まあ作家の個人情報や周辺情報は後付けでいいんですけどね、大事なのは話!

 

短編をぜひ

 長い前置きが終わったので、ついに作品感想にいきたいと思います。まず何よりも言いたい事はこれです。「短編からどうぞ!」個人的にはそれに尽きます。あの独特な語り口と先の読めないストーリー、え?と声の出そうな展開の豊富な村上作品はまず短編から入るのが一番いいと思います。人気作として挙げられるのは長編作品が多いけれど、村上春樹さんの夢の中のような世界観は短編小説にすごく合うと思います。現実なのに現実じゃない感じや生きている事の絶妙な哀しさや孤独感、なぜか心に湧き上がる悪意や衝動、みたいなものを一つ一つ短編で表現している感じがとても好きです。

 あと短編の場合は話の筋がしっかり定まっていなくても許せるところがあるじゃないですか。(私だけ?)唐突に終わってしまっても、誰かの一場面を見ていた、という感じで納得できる。それに読む量が少ないとあの文体にも打ちのめされないと思います。

 それでは個人的短編作品ランキングにいきますー。ただ全作品を読んでいるわけではないので私の読んだ範囲内でのランキングです。(ただただ私得)『レキシントンの幽霊』と『パン屋再襲撃』を持っていないので読み返すことができずちょっと曖昧な感想になってしまうのがなんとも、絶対買おうと思います。あ、ネタバレ入ってる部分もあります。

 

トニー滝谷                   『レキシントンの幽霊』より

 『レキシントンの幽霊』は全体を通して他の短編集よりも怖さが多めだったと思う。それでいて全体に漂う物悲しさと人間本来の悪意みたいなもの(怒りというよりは、悪意)がよく現れて大人っぽいイメージ。トニー滝谷は妻を失くした人と「私」が出てきて、大量に残った妻の服や靴を着る話だった。なにがどう心に残ったのかわからないけれど、喪失や不在の表現が好きだったのかなぁ、多分。あと『レキシントンの幽霊』の中では海で友人を失くす話が怖すぎて覚えている。罪悪感の見せる幻が本当に怖い。

 (私の村上作品に対する感想はこんな感じです。そもそも理解して読んでるわけではなく文体が好きなだけなので申し訳ないくらいただの感想で、綺麗な解説や書評どころではないです笑。)

 

③日々移動する腎臓のかたちをした石           『東京奇譚集』より

 『東京奇譚集』は高校の文化祭の古本市で無料で手に入れた本ですがかなり面白い。映画になったハナレイ・ベイや冒頭の偶然の旅人は語りも入りやすいし起承転結もわかりやすくて、良いと思う。上の『レキシントンの幽霊』とは対照的にあまり不意にくる怖さはないし明るめの不思議さが漂っている。その中でこの腎臓石の話(長いので腎臓石と略す)はわかりやすい方ではないけどなぜか好き。というか村上作品はだいたい「なぜか好き。」でいける笑。小説家の男性と謎の職業の女性が出会い、小説家は、彼女は自分にとってどれくらい大事なのか?と自問しながら淡い付き合いを続けていく、、。そして小説家の書く作品には腎臓のかたちの石が登場していく。うんまあ読んで欲しい笑。腎臓っていうセンスが好きです。

 

①スパゲティーの年に

②駄目になった王国

④チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏

⑦32歳のデイトリッパー               『カンガルー日和』より

 一気に4作品、『カンガルー日和』は一つ一つが短くスケッチブックみたいなもの。と確か本人が言っていた。これは『東京奇譚集』よりもっと明るめでほんわかしている。佐々木マキさんの不思議な挿絵とぴったりで休日の午後に安楽椅子でパラパラとめくりたい。その中で駄目になった王国と32歳のデイトリッパーは年齢を重ねるほろ苦さ、成長とか時の流れとか退屈さが印象的。32歳の主人公が18歳の少女に18に戻りたいとは思わないなぁと言って、少女がものすごく不思議がるのが良い。若い女の子って退屈なんだけど、本人たちはそれに全く気づいていない、って言うのが良い。笑

 チーズケーキのような形をした僕の貧乏、はこれは本当に最後まで微笑ましい。若さとバイタリティが明るくて素敵。気分もほっこりとなる。対照的に、スパゲティーの年には生活の中の孤独感、寂寥感を見事に鍋の中で茹でられるスパゲティーと絡めていて、とても好き。これを読むと、スパゲティー……となんだか悲しくなりそう。

 

パン屋再襲撃                     『パン屋再襲撃』より 

 『パン屋再襲撃』は表題作以外もよかったと思うけれど読んだのが昔すぎて残念ながら思い出せなかったのでここでは表題作をあげた。本当に文字通りパン屋を再襲撃する話。なんだか突然夜中に暴力的な空腹に見舞われた二人がとりあえず食べ物を探してパン屋を襲撃しにいく。意味不明。しかも彼女が?昔にもパン屋を襲撃したことがあるから再襲撃なんだと思った。さらに意味不明。笑 でもそれがまた面白かったような気がする。買おう。

 ※アメリカ版の短編『象の消滅』にパン屋再襲撃が載っていたので読み直したところ、昔襲撃したのは奥さんである彼女じゃなくて主人公の方でした。でも奥さんの行動がキレッキレなところが面白く、そこが好きだったんだろうな〜と思い出しました。あと海底火山の独特な比喩が素敵です。

 

⑧嘔吐1979                  『回転木馬のデッドヒート』より

 『回転木馬のデッドヒート』はコロナ禍に購入したのでまだ読み込んでいないけれど、これは夜読んで非常にぞくっとした話。この短編集の中の他の話は怖いものはないんだけど、これだけ『レキシントンの幽霊』に近い、よくわからないけれど確実に自分に向けられている悪意、っていうのが書かれていてしかもそれが読んでいる自分に起こる可能性も感じるのでぞっとする…。印象が強烈だった話。

 

⑤眠り                           『象の消滅』より

 『象の消滅』はアメリカのニューヨーカーという雑誌を通して元々英語で綴られたものをもう一度翻訳して日本語にしたものだと思う。黄色めの紙の感じが新鮮で読む前からワクワクしたのを覚えている。眠りは突然全く眠らなくてもよくなった女の人の話なのだが初めて読んだ時は怖く、ラストを読んで眠くなる私は幸せだなぁ…と思った。主人公の主婦は夜全く眠らなくても昼普通に過ごせるから、<人生を拡大していく>ようになるけど、そこには不自然さが漂う、、。本当にそれで大丈夫なの?という疑問、何かが必ず起こってしまうだろう、という不安と期待が弾けるラストはなかなか印象的。

 

書いてきて思ったけど私は意外と怖い短編が好きなんですね、、。ホラーは苦手なはずなのですが。あとなぜ10作品挙げれなかったのでしょう。短編集は上記のもの以外にも『蛍・納屋を焼く・その他の短編』などもあるのですがこれは長編に繋がる(元となった)話が多いので割愛してしまいました、長編の時出します。

 

 

結果:①スパゲティーの年に

   ②ダメになった王国

   ③日々移動する腎臓のかたちをした石

   ④チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏

   ⑤眠り

   ⑥パン屋再襲撃

   ⑦32歳のデイトリッパー

   ⑧嘔吐1979

   ⑨トニー滝谷

 

長編は次回へ

 ということで何作品かセレクトして感想をつらつら書いてみましたが、個人的には短編集の中では『カンガルー日和』がNo. 1です。おすすめ度としては怖いもの大丈夫な人なら『レキシントンの幽霊』、ホラーは避けたい人なら『東京奇譚集』が1番になります〜。あと村上作品独特の比喩については次の長編作品ランキングでちょっと触れようと思います!(忘れないように書きました笑) 他には村上春樹さんの翻訳者としての短編集も何冊かあり、そちらでは『恋しくて』という短編集が好きです。一話ごとに村上さんの絶妙な解説がついているのが珍しい。あんまり村上春樹さんのあとがきって見ないのでこれはあとがきも解説もついていて驚いた覚えがあります。

 

 

ありがとうございました。

コロナの収束(というかワクチン)を祈願。